2013年5月8日水曜日

残雪の徳本峠

2013.04.29(mon)~30(tue)

GWの休暇を利用して、残雪期の徳本峠へソロで出かけてきました。

以前、本だったか何かでこの峠のことを知り、江戸時代に小屋(前身にあたる)が建てられたことや、W.ウェストンの話、かつて信濃と飛騨を結ぶルートであった。などフレーズにひかれ憧れていました。

本当だったら島々から入り、徳本峠へと行きたかったのですが、いろいろ調べてみると、まだまだ雪が残るGWのこの時期はトレースが無い可能性も高く、今の自分には無理だろうと判断し、島々谷を歩くのは雪の無い時期に改めてということで、明神側から入りました。
ルートは、上高地BT〜明神〜徳本峠(ここでテント泊)〜明神〜上高地BTというかんじで、行きと同じ道を戻ってきました。


27日に降った雪で、涸沢や蝶ヶ岳などに入山規制が掛かっていたこともあり、少しでも情報が聞けないかと、上高地BTにある情報センターで話を聞いてからのスタート。
結局、小屋からの情報は無く、積雪の状況も雪崩についても分からないということだったので、とりあえず行ってみて無理そうならさっさと引き返し、徳澤のキャンプ場で一泊しようと出発しました。


上高地BT〜明神までは良く整備された遊歩道を歩きます、ところどころ雪が残るものの全く問題ないレベル。意識的に早めのペースで歩き約40min。
明神から少し徳澤方面へ進むと、徳本峠への分岐がすぐに現れるので標識にそって右へ。分岐にザックがデポしてあったので、間違いなくトレースがあるだろうと安心して進みます。しばらく遊歩道を歩くと、恐らく徳本峠小屋スタッフのものと思われる軽バンが停めてあり、この辺りから雪が多くなります。次第に斜度が急になってきたのでアイゼンを履き、冬道となる沢を直登します。




しばらくすると、上から二人の男性が降りてくる。
ザックを持っていないとこを見ると、分岐にデポしていた人達だと思い、挨拶して立ち話。「テン場は空いてるよ。左右の沢にあまり雪が積もっていないから、雪崩は無いと思うけれども、念のため左岸にだけは気を付けて。」といったことを教えてもらい、さらに急になってきた沢を登ります。
その後も女性二人とすれ違い、またしても挨拶からの立ち話。
「もうちょっと行けばトラロープがあるから、それに沿ってトラバースすればいいよ。」とのこと。上の方を見ると、なるほどトラロープが見える。トレースもしっかり付いていたので迷うことなく徳本峠に着きました。明神の分岐から小屋まで約90min。



天気は快晴。

小屋のテン場は、既に張ってあるテントが一つと、ソロのおじさんが設営真っ只中のテントが一つの、合計二つ。
まずはテント設営の受付をするために小屋へ。小屋ではスタッフのみなさんは食事中。「まだ雪があるから料金は要らないよ。」とのことで、ありがたく設営させてもらいます。
テントは実戦2回目の、FINETRACK×HIKER'S DEPOT ツェルト2ロング ステルスVER.
風が強かったので持ってきたペグを総動員しての設営、サイドリフターを引っ張るところはペグが足りなくなったので、木の枝を雪に埋めて流用します。

設営後はゆっくりと昼食のパスタを食べ、ゆったりと散歩。
45秒で展望台という標識があるので「それじゃあ。」と、展望台(少し開けた所)へ。
夕陽には早いけど、ぼけーっと景色を眺める。眺める。眺める。


その後は、小屋で購入した缶ビールを飲みながら、夕食のラーメンを食べ、サラミをつまみにペットボトルに移してきた黒糖焼酎で時間をつぶす。酔いが回ってきたのか、まぶたが重くなってきたので早々にシュラフに入りました。
夜半から風が強くなり、木々を揺らすゴォー!という、遠くからの風の音に目を覚まし、だんだん近づいてくるその音に身構える。ツェルトの壁がばっさばっさと揺れて、トレッキングポールやペグの状態が不安になり、ツェルト崩壊という最悪な状態が頭をよぎるが、面倒くささが勝ってしまい無理矢理に目を閉じます
外からは、誰かが外に出しっぱなしにしたクッカーらしき金属音がガラガラと響いていてとてもうるさい。
その後も風は何度も何度も方向を変え、右から左から近づいてきては通り過ぎていきます。不安でたまらずツェルトのジッパーを開け、外の様子を伺うと雪。吹雪。
その後は、目を覚ますたびにツェルトの壁と天井のラインを見て、トレッキングポールが無事立っていることを確認して、また目を閉じました。




次に目を覚ますとAM5:00。
外の様子をうかがうと、まだ雪が吹き込んでくる。
いったん外に出てペグの状況を確認すると、ポールから引いたラインを固定しているペグが半分くらい雪から出てる。危ない、これが抜けたら倒壊してた・・・。足の裏でペグを押し込み、上から雪を盛って固定しました。
とりあえずなにか食べようと、ツェルト内でお湯を沸かして、カフェオレとソイジョイという簡単な朝食を食べます。
ツェルト内でお湯を沸かしたことで、すでに結露でぐしょぐしょだったシュラフがさらにぐしょぐしょに。
そんなシュラフと今日の行程を想像するとうんざりするが、テント内のものを大体ザックに詰めこみ横になると、頭をよぎる温泉とビール。

下山・・・。

ささ、下山しよ。行くも自由、退くも自由。昨晩iBooksで読んだ、魯山人の本も良くなかったみたい。
そうと決まると、ツェルトを適当にザックに放り込み、アイゼンとグローブを装着。小屋に立ち寄りスタッフの方にお礼と挨拶。
下りは早い。カカトから雪に着地し、トレッキングポールをスキーのように使いバランスを取りながら、駆け下りるように下山。上高地BTまで待ちきれず、明神でコーラ(カロリーあるやつね)。ここまで60min。




コーラ片手に猿なんかを探しながら、ちんたらと上高地BTへ。タイミング良くすべり込んで来たバスに乗って岐阜県側のあかんだな駐車場へ。平湯温泉BTの3階にある温泉に入ってから帰りました。
実は、2日目は徳澤〜長塀山〜蝶ヶ岳に行くつもりだったんですが、ぐしょぐしょのシュラフが決定的でしたね。
お昼のソバとビールの旨さで、下山の判断の正しさに確信を持ち、予定変更が好き勝手にできるのもソロの良さだよね。と軽く酔いの回った頭で新緑の島々谷を妄想。
OK!また来ます!

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